熊本震災周りに見る技術の話いろいろ
2016年4月14日午後9時26分頃、九州地方を震源とするマグニチュード6.4の地震が起こりました。熊本県益城(ましき)町では震度7が観測されました。ちなみに「震度7」は気象庁震度階級で定義される最大震度らしいです。
地震発生直後からすぐにTwitterでも地震情報を伝えるNHKのストリーミング動画リンクが拡散され続けました。自分も会社でこのリンク先の動画を見ていましたが、スマホ auの4G回線で快適に見れていたのでNHKさまさまです。自分も地元で体験した阪神大震災の時には無かった選択肢。当時は情報取得もどうしていたんだろう。テレビにかじりつきだったのかな
「災害情報はNHK」という意識が日本人の中にはあるようで、(そしてNHKの中の人達もその自負と責任を持っているらしい)、NHKは受信料系で文句が噴出されたりしてますがやはり重要なインフラだなと改めて感じたり。
一方、奇しくも、4月11日からサービスを開始したばかりの「AbemaTV」アプリでも無料で(通常利用も無料ですが。)さっそく災害情報を放送してました。
個人的には、「サービス開始したばかりのアプリでアクセス集中して落ちたり再生停止したりしないかな」と心配して見てたのですが、普通に見れました。さすがIT大企業とテレビ局が作ったアプリ。
ただまあ、インターネット時代以降の災害時によくみる光景になってしまったのですが、今回も例に漏れず叩かれるAbemaTV。
ツイッターで地震情報流している旨を公式アカウントから伝えたところ、「プロモーション」というツイッターのいつものアイコンが出てしまい、「人の不幸でアプリ宣伝すんな」というリプが届きまくる。
「これはツイッターの仕様なんだから...」「無料で一次情報に近い情報を流してくれてんだからこんな時までカリカリすんなよ...」と苦い思いでタイムライン眺めてました。
また、ネット回線から音声回線に無料で10分繋いでくれるサービス(Line Out)をLineが開放してくれたところ、こちらも叩かれる。
リンク先の内容のとおり、「有限の音声回線を圧迫する行為なのでよろしくない」という指摘ももっともであると思う。それに、安否確認なんて緊急の状況で「10分の電話代」をケチろうとする人がそもそもどれだけいるのだろうか。安直な企業対応だったと感じなくもない。しかし、「無料にしなかったらしなかったで叩いたでしょ?」とも思ってしまった。なんて窮屈な国になってしまったんだニッポン。
モノを提供しないネット系企業は逆に、被災支援となるとすぐに何かしらのソフトウェア的な支援をするよう社会的に期待される。NHK、AbemaTV、Lineのように喜ばれたり、ディスられたり、苦言を呈されたり評価が大きく分かれる。「被災時には真に何が求められているのか」がまだ社会的にも共有されていない状態を表しているようにも思う。
その他、ネタになってた話。
お城の瓦は地震発生時には敢えて落ちるように固定されておらず、瓦が落ちることで城本体への振動を軽減する免震システムになっているという話。日本人は昔から地震へのリスクテイクをきちんと考えている。
で、現代版のお城というか、一般のアパートでも構造上脆い部分を敢えて作っておいて、地震発生時にそこを壊す(切り離す)ことで振動を軽減する作りになっているらしい。
被災された方には恐縮だが、震災が起こらなければ陽の目を見なかった匠の技やノウハウがこうしてネットにでてくるのは興味深い。
最近のインターネットサービスを含めても、我々日本人は昔からいろいろなものに地震から守ってもらっているのだと感じたり。