NAKEDのプロジェクションマッピングのアート展を見てきた
ある日、SNSを見ていたらこんなツイートを見つけた。
#SWEETSbyNAKED のしゃべるプロジェクションアイスクリーム! pic.twitter.com/eTvbgCrAZU
— 池澤あやか / いけあや (@ikeay) 2016年12月28日
アイスクリーム(食べ物)にプロジェクションマッピングしているのを初めてみたので個人的にはかなり衝撃的でした。天才の発想やで...
ということで、さっそく展示を見てきた。
クリエイティブカンパニー NAKED(ネイキッド)
メディアアートといえばチームラボやRhizomatiksなら知っていたけど"NAKED"は知らなかった。と思ったら1997年からある "創業20周年を迎える老舗クリエイティブカンパニー" だそうで...。(ただの不勉強)。
代表 村松さんのインタビュー記事などもたくさん出ている。イケメン。
- 『by NAKED』は、品質保証の一部。代表 村松亮太郎が語る理想のクリエイティブチームとは 株式会社ネイキッド
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村松亮太郎 公式ブログ Powered by LINE (作品の写真がたくさん見れる)
"NAKED"という名前を知らない人でも、2012年に行われた東京駅のプロジェクションマッピングなら知っている人が多いかも。あれを作ったのがNAKEDだそう。
SWEETS by NAKED
で、冒頭の話題に戻ると、展示を見てきたのがこれ。
開催は2016.12.1~2017.1.9 @表参道ヒルズ だったのもう終了済みだけど。
クリエイティブ集団NAKEDが贈る最新作は、“SWEETS”がテーマ。
プロジェクションマッピングやセンシングのテクノロジーによって、
映画のような世界が目の前に現れます。
表参道ヒルズの近くにもあるスイーツショップも参加し、展示されているスイーツは一部本物もありました。
会場内は意外に狭かったですが、ディズニーランドのような非日常空間に仕立てていて、仮装したスタッフさんが楽しげに賑やかしをされていました。
インスタグラム見ると分かる通り、かなり女子力高い感じ。
自分のような"デジタルアート"に興味ある人も行っているのかと思いきや、カップルと女の子グループばかりでした…orz
いろいろ撮ってきた動画を貼ってみる。まずはエントランス。
プロジェクションマッピングって、どデカい建造物とかにざっくり映像を照射するものだというイメージがありましたが、実際に見てみると、こんなに細かく、詳細に、鮮明に投影できるもんなのかーという驚きが大きかったです。
動画に映ってるのは、ディスプレイとかじゃなく、ただのパネルと小道具に映像を投影して被せてるのですが、一見すると元々そういう色のパネルか液晶ディスプレイかなって思うくらい鮮明でした。
最近 MicrosoftのHoloLensが購入者に届き始めて、その衝撃的なリアリティーのAR画面がSNSでも拡散されてますが、このレベルの鮮明さのプロジェクションマッピングがもしもディスプレイデバイス無しで空間上にも投影できるようになれば確かにデジタルとリアルの見分けが単純にはつかなくなりそう。それくらい鮮やかなプロジェクションマッピングでした。
会場中の他のいろんな立体物にもマッピングされてた。天井からは何台のプロジェクターが吊り下がっていたのか… (わざわざ上を見上げて注意してみない限り、プロジェクターの存在は気にならない)
狭い空間なので、プロジェクターと照射対象の間を人が横切ると影ができて不細工な感じになるかと思っていたけど、そんな嫌な印象は全然なかったです。やはりうまいこと配置されているのですね。
たまに一定間隔でスペシャル演出タイムみたいなのがあり、そのときは会場にある全て(?)のプロジェクションマッピングが会場全体を使って一つの演出をしていました。
ただ単に投影しているだけではなく、来場者とインタラクションするマッピング演出もありました。
これは来場者の影に反応して、降ってくるスイーツが弾き返されるような演出を作る展示(しかし特にそれ以上の何かはなかった)
最後にも書いていますが、プロジェクションマッピング自体は結構単調で、カップルで来てもすぐに飽きちゃうのではと思っていたが、入場料とは別売りのチケットを買うと冒頭のしゃべるアイスクリームの展示で実際にアイスを買って食べれたり、チョコレートで指輪が作れるスペシャルエリアもあって楽しそうな感じでした。(というより、この展示はそもそも自分のようなのはターゲットにしていないのですよね…)
TOKYO ART CITY
NAKEDが手がけた別のプロジェクションマッピングの展示が同期間に渋谷ヒカリエでもあったのでその足で一緒に見てきた。
今度は "SWEETS"ではなく、"CITY"がテーマ。
こちらもヒカリエでの展示は既に終わっているものの『二倍のスケールになって東京ドームシティで6月に開催!』らしいです。
巨大模型による『TOKYO HIKARI VISION』の再現を中心に、ランドマークなど東京を象徴する場所を模型によってコラージュし、その中を通り体験することによって時間軸を超え変化し続ける“都市”を体感するアート展です。人の営みが集積する都市の街並みに、建築物・光・映像・音、時間軸を超えた空間が広がります。
こちらも撮った動画をペタペタ。
会場入り口に飾ってあった渋谷駅周辺模型へのプロジェクションマッピング。
ビルの一つ一つに別のプロジェクションを当てて見せ方を調整していて、芸の細かさにびっくりする。
会場入口の雰囲気。
床に"TOKYO ART CITY"の文字、天井には無造作な感じで看板が吊り下げられててサイバーパンクな街の入り口っぽくて非常にかっこよい。テンション上がる。
会場の中のメイン展示は、2012年の東京駅プロジェクションマッピングを彷彿させるミニチュア版東京駅の模型(といってもデカい)にダイナミックなマッピングを行ったもの。
演出の一回分が長く、どんどん移り変わっていくマッピングをぼーっと眺めていると、投影面積も広いせいか、自分がVRの空間に入ったような感覚になります。
実物の東京駅マッピングもかっこよかったけど、閉鎖空間(部屋の中)で360度プロジェクションマッピングされた場所での没入感的なものはやはりまた違う印象を受ける。ちょっと映画館っぽいかも。
感想
自分が想像していた以上に精細で緻密なプロジェクションマッピングだったので「驚いた」というのが一番の感想。
VR・ARの次に来るであろう現実空間への(ヘッドマウントディスプレイ無しの)投影、つまりホログラム的な技術はこの延長線上にあるのだろうか。
ただ、一定時間で延々と同じ映像をリピートして照射しているだけなので5分も見てると飽きる、とも思った。映像作品的でもあるので、あまりユーザが割り込んでインタラクションできるものでもないし…。
コンテンツに関しては機械学習的な手段で自動生成して動的にどんどん投影内容を変化するようにできたりしないのかな、どうなのかな、個人的に興味ある。
今度は2月に花を題材にした"FLOWERS BY NAKED"があるのでそちらも見に行きたい。