データの境界

なんちゃって理系がデータ分析業界に入ってからの汗と涙の記録。

AbemaTVから考える、動画コンテンツの最適な配信方法

現在はメディア系の分析のお仕事やってるので関心度高いっす。テンション上がったー

toyokeizai.net

 

約三行要約

  • Amebaとテレ朝(業界2位)がスマホアプリ向けの動画アプリ"AbemaTV"を公開
  • 動画の間にCMが入るのでユーザーは無料で利用できる
  • テレビ離れの20代をメインターゲットとしている
  • 動画は普通のTVの用に再生される。つまり、見逃し視聴や選択視聴はできない。

今更だが、大手のIT会社とテレビ局が1年半を掛けて作った虎の子アプリとのこと。以下実際に利用した感想

■使ってみてよかった点

■まだイマイチな点

  • アプリが不安定(使ってる間でも、動画は再生されるもののチャンネルの選択がフリーズしてしまった)
  • パケットどんだけ喰うんだろう...(wifi下でしか安心して使えない)
  • なんだかチャンネル多い。カオス感(把握するのに面倒くさい感)

「コンテンツが微妙」というツッコミはまあ初めだからアルアルとして、アプリ自体の挙動というかUIは素敵な感じがした。

「今更動画アプリ?」という話もあるがまさにテレビ離れした若者の意見としては、現状存在するdTV、UULAなどモバイルキャリアが抱えているアプリは何か面倒そうだし信用できない(スマホ契約時に無理やり契約させられるウザいアプリ)という印象がある。そこで、Amebaみたいな誰も知るところが無料でアプリ公開するとちょっと使ってみようかなという気持ちがする。登録とかも不要だし。

 

まあただ、今後はそんな使わないかな。。。そんな気持ちを代弁してくれてたのが以下のリンク

medium.com

AbemaTVは、この記事にもあるように明確にTV局を志向している。だから、ネット配信であっても放送時間は固定される。7時に始まる番組は、7時10分に観に行ったらきっちり10分経ったところからしか観られない。レコーダーが付いてるわけでもないので、むしろTVよりも不便だ。 

そうなんだよね。ネットで動画流してるのに「は?」ってなった。ネット動画のメリット殺してんじゃんって。でもそこから続く以下の内容が興味深かった。

どのコンテンツを観るか決めるというのは、実はけっこう面倒くさい行為なのだ。

つまり、Netflixのように「この中からいつでも好きな番組見て」 とすると、矛盾する感じもするが、人は「選ぶのめんどくせー、じゃあ見ないわ」ってなるらしい。これはわかる。(だからこそNetflixはデータ分析を徹底的して、最高のレコメンド体験を提供しているわけだが。)

テレビのように受動的に視聴することは、意外に人間の「選択する手間」を省いているし、もしかしたら自分がこれまで知らなかった運命の番組との出会い(セレンディピティー)があるかもしれない。Amazonで本を買うのと、本屋をぶらぶらして偶然に最高の本に出会うのと同じ感じ。この辺のトレードオフというか、人間の感覚はおもしろい。

そういうわけで、上記のブログでは「最初から見るボタン(タイムシフト視聴と同義だと思われる)」を実装してはどうか、と提案している。それなら「選ぶ」めんどくささは無いまま、気になった動画を最初からまるっと見ることができる。確かに、「タイムシフト」と「オンデマンド」ではまたユーザー体験が確かに変わる気がするので非常に興味深い。

動画サービスは新しく出来ては無くなっていく感じがしているので、Ameba×テレ朝がどこまで戦えるのか期待。データ分析感としても、一般人の視聴ニーズを表すであろうログデータが大量に取得されるだろうから興味がわきますな。「若者って本当に動画コンテンツもう見ないの?」に一つの答えを示してみてほしい。

 

ちなみに、この記事を書くまでずっとAmebaTVだと思ってたんですが、"AbemaTV"でしたね。この辺のネームの微妙さは藤田社長も自らコメント済み

ameblo.jp