データの境界

なんちゃって理系がデータ分析業界に入ってからの汗と涙の記録。

珍しく数学?物理学?の番組を見てみた

会社にはいろいろなアカデミックな背景を持った人が多いのですが、一番多いのは物理屋さんの人たちなのですね。で、そんな方々が話して番組を見てみました。

www.nhk-ondemand.jp

世界の物理学者が「この世の全て」を説明する究極の数式(=神の数式)を追い求めた100年の歴史をまとめたNHKの番組。キーワードは「標準理論」「ヒッグス粒子」など

この番組でいう「この世の全て」とは「原子の成り立ち」のことらしいですが。

 

「式の美しさ(=対称性)」を追求することで「神の数式」の説明力をどんどん上げ続けてきたという話はとても興味深かった

日本人物理学者 朝永振一郎が戦時下の日本で、世界中の物理学者を悩ませ続けた「ロバート・オッペンハイマーの数式が無限大に達する問題」を解いた、という話のあたりがグッとくる。

原爆の父と呼ばれた男へ、原爆被投下国の物理学者から「戦時下だから公開できなかったけど、その数式の問題解決できたよ」という衝撃の手紙が届いた時、いったいどんな気持ちになったのだろう...。

戦争対峙国の物理学者なのだから、アイデアだけをパクって自分で発表するということが起こっても全然不思議ではなかっただろうに、ロバート・オッペンハイマーが手引して朝永の名前できちんと論文発表(しかも当時の物理学最高峰の論文誌)されたという話は、科学者のカッコよさを感じざるをえない

NHKの番組は、生物学に関する内容の番組時にもまだ不明瞭な問題に対して「これが正しい答えだ」と"言い過ぎ"感がある番組ストーリーにしてしまっている場面などがあるので、この「神の数式」番組もやや斜に構えて見ていた。

そんなわけで、この領域に長く所属する研究者たちからはツッコミがたくさんあるのだろうけど、自分のような数学初心者にも楽しく「数学の番組」を1時間見せる番組を作っている点は純粋に「さすがNHKスゲー」ってなるのですね。

この第1話のストーリーのオチとしては、100年かけて作られた「標準理論」はさらに精度の高い"神の数式"に近づけるために「重力」を考慮した式に発展させる流れがこの業界の今後のトレンドだと締めくくっていた。かなり面白かったので2話以降も見る