Facebookが囲碁のAIを開発中
というわけで今日のネタはこちら。
「将棋は左脳、囲碁は右脳」といわれるのを聞いたことがある。将棋も囲碁も「おじいちゃんが嗜んでる」というイメージでごっちゃにしていたが、両者にはいろいろ違いがあるらしい。
「将棋は理詰めの世界なので歳を取るほど弱くなるが、囲碁は歳を取るほど強くなる」とも言われる。確かに、将棋は何手先までを読めるかが勝負の分かれ目だが、囲碁は常に局所と大局を交互に眺めながら、一部では損切りし、全体で勝てれば良く、そのバランス感覚は経験を詰むほど洗練されていくような気もする。
囲碁の局面は「模様を読む」と言われるほど、理詰めというよりは、「全体感」を気にする勝負だ。それは「パズルを解く」というより「隙無く塗り絵をする」という感じが個人的にはしている。理詰めの機械であるコンピューターは右脳作業として囲碁をどのように行うのか?
記事いわく、将棋の指し手を機械的に計算しようとすると10の220乗、囲碁では10の360乗となるらしい。
昔、ゲームボーイアドバンスで「ヒカルの碁」というゲームがあって、コンピューターとの対戦モードがあったのだが、大戦の終盤になるとコンピューターが一手指すのに2時間はかかっていた。当時の自分はゲーム機本体を充電しながら飽きもせずそれを待って対戦していた。そして中学生でも勝てるくらいだったので、やはり当時のコンピューターはすこぶる弱かったのだと思う。
記事中では、「囲碁でコンピューターが人と同じくらいの強さになるにはあと10年」とされているが、そういった予想はきっともっと短くなるのだろう。
自分が歳をとって、次にコンピューターと囲碁の対戦をするのが楽しみだ。
最後に、この記事の以下のフレーズが好きだった。自分もそう思う。
AIは急速に進化し、人間が占有していた知の領域に入り込んできた。だからこそ、そこに人は様々な感情を抱く。だが今、クルマの速さに対抗心を燃やす人がいないのと同様に、競争の段階を通過して協調の段階に入れることで、冷静に「道具」として使いこなすことができるようになるだろう。だから、人間とAIの競争はできるだけスムーズに進めた方が良いというのが、記者の考えだ。
「Facebookが囲碁AI開発」の件には、mark zuckerbergも直々にfacebook上でコメントを出している。
コメントいわく、facebookのAI開発チームはmarkの席のすぐ近くで仕事をしているらしく、そんな環境が間近にあることでmark自身もエキサイティングしているとのこと。日本でも大きな企業には「AI開発部」ができているらしいが、恐らく彼らの席は社長席から最も遠いフロアの端っこの方だろう。
FacebookのAIチームが出した論文はコチラ
[1511.06410] Better Computer Go Player with Neural Network and Long-term Prediction
Facebookが囲碁AIをさらに発展させて、どういった分野に応用させてくるのかも楽しみだ
タイトルと中身がちょっと違う気がするのですがAI囲碁ネタだったので、一応こちらも貼っておきます。