データの境界

なんちゃって理系がデータ分析業界に入ってからの汗と涙の記録。

世界を席巻する新興宗教"ポケモンゴー"の教徒たちによる珍事件記事まとめ

ARと位置情報を使うPokemon Goは一データ分析官としても非常に感心があるところです。

ここ数日、SNSとネタ系メディアには世界各地の「Pokemon Go珍ニュース」が大噴出しており、もはやカルト的な人気となり手のつけようがないっぽい。

気にはなるけど情報量が多すぎてニュースを追っかけるのすらメンドイ状況となってきたのでひとまず目に入った記事のリンクとその概要・感想メモだけをベタベタ貼り付けてみました。

時系列順とか内容カテゴリー分けとかしてません。とにかく目に入った順に突っ込みました。(内容重複はできるだけ避けました)

 

そもそもPokemon Goとは

www.pokemon.co.jp

公式のコンセプト動画。見たらポケモン世代は涙でそうになります。こんな世界が早く来てほしい...

www.youtube.com

 

プレイヤーはポケモントレーナーとなって現実の地図と対応したアプリ上のマップを移動。移動中にランダムに野生のポケモンが出現してくるほか、実在の名所旧跡などが「ポケストップ」となっており、その近くに立ち寄ることで冒険に必要なものが入手できる。遭遇して捕まえたポケモンは強化や進化させることができ、鍛えたポケモンを使って各地にある「ポケモンジム」で他のプレイヤーが配置したポケモンと対戦。プレイヤーは赤青黄の3チームどれかに所属し、他チームのジム奪還、味方チームとの共闘も楽しめる。

http://jp.automaton.am/wp-content/uploads/2016/07/Battle-AR-217x380.jpg

『Pokemon GO』では従来のシリーズのようにポケモン同士を戦わせHPを減らして捕まえるというルールではなく、プレイヤー自身が画面のモンスターボールをフリックし、ポケモンに投げつけて捕まえる。ポケモンの周囲にある円(ターゲットリング)は半径大→半径小と繰り返し収縮しており、円が小さくなったタイミングに合わせて投げることでゲットできる確率がアップする。

  • Pokemon GOは、任天堂ポケットモンスターのライセンス運用会社である株式会社ポケモン任天堂が32%を出資)、ナイアンティック(Niantic)の3社で共同開発された(ナイアンティックはGoogleの社内スタートアップ企業であり2015年8月に独立)。地図データはGoogleが提供(Google Map)し、サーバーもGoogleのものを利用しているらしい。
  • 日本ではまだ非公開(2016.7.17現在)。アメリカなどで公開済み
  • 白人黒人、男女、大人子供を超えてみんなプレイしていて、その一体感たるやこの世界から戦争が無くなりそうな勢い
  • ちなみに、登場するポケモンは今のところ初代赤緑に登場した151匹らしい。もう最近のポケモンは全然わからん...というおっちゃんおばちゃんもダイジョウブ!

 

関連記事いろいろ(時系列無視)

『ポケモンGO』日本での配信は「間もなく」…『イングレス』イベントに登場したジョン・ハンケ氏が言及 [ファミ通app]

これまでの『Pokémon GO』配信国まとめ。

7月7日配信…アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド

7月13日配信…ドイツ

7月14日配信…イギリス

7月15日配信…イタリア、スペイン、ポルトガル

7月16日配信…オーストリア、ベルギー、ブルガリアクロアチアキプロスチェコデンマークエストニアフィンランドギリシャグリーンランドハンガリーアイスランドアイルランドラトビアリトアニアルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェーポーランドルーマニアスロバキアスロベニアスウェーデン、スイス

日本公開は「間もなく」(ナイアンティックのCEOであるジョン・ハンケ氏の公式コメント)

 

Pokémon Go、Twitterのデイリーユーザー数を抜き、滞在時間でFacebookを越える | TechCrunch Japan

表題そのまま。iOSユーザの日別平均滞在時間は33分25秒らしい。

https://tctechcrunch2011.files.wordpress.com/2016/07/pokemon-go-usage-comparison.png?w=680&h=426

  

Pokémon Goのユーザー継続(再帰)率と一人あたり平均売上は業界平均の倍 | TechCrunch Japan

アクティブユーザの平均課金額は$0.25で一般的なスマホゲームの倍

https://tctechcrunch2011.files.wordpress.com/2016/07/image02-2.png?w=1024&h=953

 

Poké power: Pokémon GO has more in-game buyers than the rest of the mobile gaming market - Slice Intelligence

 1日の課金額で「ポケモンGO」が世界中のその他モバイルゲームの"合計額"をぶち抜いたらしい。

https://1jkba2355du13zgd7y2w6a2l-wpengine.netdna-ssl.com/wp-content/uploads/2016/07/Pokemon-vs-All-Other-Games-1.png

日本人が参加する前にお祭りはクライマックスを迎えようとしている。
というより、いろんな数字を見てるとなんでこのサービス日本で出来なかったんだと悔しくなってくる。

 

 

課金対象の「ポケコイン」↓ 好きなだけ課金できるよ!(課金対象は他にもたくさんある)

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/071500376/10_px200.jpghttp://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/071500376/11_px200.jpg

 

「ポケモンGO」は何がすごい? ブームのポイントを解説 - 日経トレンディネット

日本の任天堂の株価も急騰した。7月7日のポケモンGOリリース前の株価は1万5000円前後で推移していたが、15日には一時2万7800円を突破。わずか1週間で80%もの「爆上げ」となった。これにより、任天堂時価総額は約3兆9000億円にまで大きく伸びた。リリース前日の時価総額は約2兆1000億円だったから、わずか8日で1兆8000億円も増えている。

米国での大ブームは日本のテレビやTwitterでも大きな話題となっており、日本の株式市場全体を押し上げる原動力として「ポケモノミクス相場」や「ポケモノミクス現象」なる言葉まで誕生している。

 

「ポケモンGO」でレストランが大繁盛 ポケモンを出現させる課金アイテム「ルアーモジュール」で集客 - BIGLOBEニュース

「ポケモンGO」が米国で小規模ローカルビジネスの売り上げを爆発的に伸ばす。その方法を紹介します | ライフハッカー[日本版]

10ドル課金で購入できるアイテムに「特定エリアの野生ポケモンの出現率を一定時間上げる(エリアにいるすべてのユーザに有効)」というものがある。とあるピザ屋はそのアイテムを使って10ドルで12のポケモンを店に出現させユーザたちを集客。売上を75パーセントも向上させた。ただしこのアイテムは「ポケストップ」と呼ばれるエリア(通常は教会や公園などに設置される)が店内や近くにあることが条件となるため誰にでも利用出来るものではない。(これを課金対象とした話は以下の記事に続く)

 

 Pokémon Go、スポンサー付き場所で広告導入へ | TechCrunch Japan

上記の記事の続きとして、そのポケストップの設置を任意に行える課金プランを発表。つまり、上記のピザ屋のように、小売店や企業は自分の施設に顧客を呼ぶために、ゲームのバーチャルマップ上で目立って表示される機会を有料で購入できる。

なんかもう、お金稼ぐ方法なんて無限にあるんだな...と思わされる。

 

[Pokémon GO、Ingressのナイアンティック川島氏に聞く] 1万5000人規模のAEGIS-NOVA TOKYO開催直前、Pokémon GOの日本での提供は - ケータイ Watch

ポケモンは日本のコンテンツなのに何で日本で最初にリリースされないんだ!」という人がたくさんいるがそれに対するナイアンティック"中の人"唯一の日本人・アジア統括本部長 川島氏の回答。

――米国などで先にリリースされたのはなぜでしょう? 日本ではいつ遊べるようになりますか?

川島氏
 それらの国の優先順位が高かったというわけではありません。法律的な問題や安全性への配慮、時間が必要なものなどいろいろな要素が影響しており、慎重に選んだものです。重要性で決めたわけではありません。

 日本でのローンチが遅れているのは、サーバー自体が予想を上回るアクセスで、きちんとしないといけないというところです。発表だけして遊べないと言うのでは困ります。エンジニアは寝る間を惜しんで増強に努めています。近いうちに、日本でも提供いたします。

そうですよね、日本人はラピュタ砲とか言ってサーバーを潰す罪深い人種なのでブラックリストですよ。

ただし、サーバー負荷の問題は横に置いておいたとして、それでも、新しいモノはとりあえず問題視し、流行っているものは盲目的に受け入れるというニホン文化を考えると海外でバズらせまくった後に「満を持して日本で公開!」にするほうが受け入れられるでしょうね

しかしそうは言っても以下の様な問題は絶対発生する。日本展開後はどんなニュースが飛び出すか

 

Pokemon Go: Major Highway Accident After Man Stops In Middle Of Highway To Catch Pikachu!

高速道路に出現したピカチュウをゲットしようとして渋滞事故を引き起こした

http://www.cartelpress.com/wp-content/uploads/2016/07/1-2.png

 

ポケモンGOが大人気すぎて、「ミュウツーを求めるユーザーが高速道路を横断」というニセ動画が出回る - ねとらぼ

もはや「ポケモンGOによって〜」と枕詞をつければどんな珍事も「さもありなん」という感じになってきたが、そんな心理がまんまと社会に蔓延しへんてこなデマも出始めた。話題になった動画は実際は黒人射殺事件への抗議デモの様子を写したものだったらしい。

こちらが噂の動画

www.youtube.com

こっちはマジネタらしい↓

深夜のN.Y. Cetral Parkにシャワーズが出現して殺到する人々

 

  

【ポケモンGO】全米が涙「ポケモンが大好きだった弟の墓に」ピカチュウが

ポケモンが大好きだった弟の墓にピカチュウが出現した!という話。

https://pbs.twimg.com/media/CnGcGc4UIAALJoG.jpg

これまでもずっと言われていることだが、デジタルの世界には"ストーリー(人間の営み的な漠然としたイメージ)"は存在せず、断片的な"情報"だけが存在する。デジタルの世界で"ストーリー"っぽく見えるものはすべて、現実世界のストーリーの一部がネットにupされているにすぎない。しかしリンク先の話のように、「ポケモン好きの弟が死んだ」という現実のストーリーにデジタルの情報が重ねられることで、現実で起こったことの意味合いがさらに拡張される。ARがこれから現実世界に起こす変化は、現実世界に単に情報が追加される(added)だけでなく、現実のストーリーに情報が和わされる(dressed)ことだと思う。

 

ポケモンGoは「ARゲーム」じゃない、IPの力で成功した位置情報ゲームだ - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

珍しくややネガティブ目な記事。ただしゲーム内容に関してではない。「Pokemon Goを"AR"と呼ぶのは正確ではないから止めろ、ただの位置情報ゲームだ」という話。正直末端ユーザにはどうでもいい話。

一応、"AR"という技術は、コンピュータビジョンや環境センシングを使って、"池の中に魚ポケモン"や"ベッドの上に猫ポケモン"のように、「環境を正しく認識し適切なオブジェクトを配置する」というような技術を指すらしい。しかし実際のPokemon Goでは"道路の上に魚ポケモン"が出てくるようなものらしく、それは単純に緯度経度だけを使ってオブジェクトを配置しているだけだからただの"位置情報ゲーム"であって、"AR"と呼ぶなということらしい。(つまり上記のお墓ピカチュウ記事も、なんの環境情報も参照せず、ただ、偶然、奇跡的にその緯度経度にピカチュウが出現したということ。それはそれでより奇跡感が増すが...)

「言葉の使い方」は業界や"中の人"達的にはもどかしいところだと思うが、個人的には「ARっぽい技術」が一般層にまで認知・利用されることで、今後登場する「本物のAR」への心理障壁画低くなるのならまあ良いのでは、と思う。

 

「ポケモン GO」が現実世界をかき乱す?ポケモン追跡で崖から転落や死体発見など問題やトラブル相次ぐ - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

想定通り(?)私有地に上がり込まれて迷惑したり、スマホを覗きながら歩いて注意散漫になって怪我したり、ウロウロしているうちに死体を見つけちゃったりして順調にトラブルが発生している模様。

 

Pokémon Goのエンジン、Unityが1億8100万ドルのモンスター資金調達―評価額は15億ドルと報道 | TechCrunch Japan

ゲームエンジンの実質的なデファクトスタンダードとなりつつあるUnityが大型の資金調達。多様なデバイスに移植できるマルチプラットフォームなUnityはPokemon GoのようなスマホアプリだけでなくVRのコンテンツでも猛威を奮っている。実際、現在のVRコンテンツにゲームコンテンツが多い理由の大きなところはVRデバイスにUnityがいち早く対応したからということもあり、今後もUnityの存在感はガンガン上がっていくと思われる。

 

ポケモンGOを始める前に、Ingress経験者からの貴重なアドバイス集 : 市況かぶ全力2階建

ホワイトハウスもジムになっちゃってるらしい

http://livedoor.blogimg.jp/masorira-kabu/imgs/b/f/bf88c433-s.jpg

※ジム・・・陣取りゲームの争奪ポイントとなる場所。プレイヤーは赤青黄のどれかのチームに所属し、ジムとなる場所をそれぞれの色で占領する。他の色のチームのプレイヤーとの対戦して負けると、占領していたジムの色が勝ったプレイヤーの色に塗りつぶされる。

 

「ポケモンGO」で仕事を辞めポケモンマスターになった男 - LINE NEWS

世界で大ブームの「ポケモンGO」ですが、ニュージーランドに住むTom Currieさんは、仕事を辞めて"本職の"ポケモンマスターになったそうです。

Currieさんは、すでにゲームに登場する151匹のポケモンのうち、90匹を捕まえており、すべてのポケモンを捕まえるべく、今後2ヶ月でニュージーランド中をくまなく巡る予定とのこと。

たしかにポケモンマスターはデータサインティストよりセクシーな職業かもしれない。

 

ラクしてポケストップ巡り。UberタイプのPokemon GOプレイヤー用乗車サービスが誕生|ギズモード・ジャパン

ビジネスチャンスもゲットだぜ!
Pokemon Goはしたいけど歩くのはダルい、という人向けにUberがライドしてくれるサービスを展開(もはや何を言っているかわからない...)
複数箇所のポケスポップや卵が孵化するまで走ってくれるらしい。

とりあえず乗るしか無い、このビッグウェーブに!!!

 

Virtuality - タイムライン | Facebook

湖の上など、リーチ出来無い場所はDroneで近づいてポケモンゲット!Droneにゲットされるポケモンもなんだか不憫だぜ

 

天才ハッカーたちがPokemon Goとドローンをハックしたら

もはや外に出るのすら面倒くせえ、という場合はドローンにハックしたPokemon Go端末を括りつけて飛ばして、室内からドローンをリモート操縦しながらポケモン発見→ゲットだぜ!してしまえば良い。ポケモントレーナーの数だけポケモン道は存在する。汗水たらしてポケモンマスターになるなんてダサいぜ、みたいな。

 

Pokemon Goで僕たちはようやくSekai Cameraに追いついた!|決算が読めるようになるノート|note

スマホをかざしてARの世界を見る」というとやはり「Sekai Camera」を思い出す。Sekai Cameraのリリースは2008年らしいので、このPokemo Goの8年も前にその世界観を実現しようとしていた。時代が早かったんだなあ...

 

(おまけ)面白かったPokemon Go関連ツイートいろいろ

AR化するサービスたち

よく見かけるネタではあるのですが一応。

www.itmedia.co.jp

 

いよいよPokemon GOのような具体的なARサービスが普及し、一般の層にもARの面白さと便利さ、新たなリアル世界の見方、デジタル世界との関係性など、圧倒的なAR技術の破壊力が認知されると世の中は一気にARサービスのカンブリア紀に差し掛かりそうです。

リンク記事のように、ARで体の表面にキーボードを投影するというネタはこれまでも何度か見かけた気がするのですが、ようやく世間のARに対する意識が追いつくとこういったデバイス(?)もぼちぼち陽の目を見る日が近くなってきたのかも知れません。

こんな単純なインプット機能が使い物になるのか?というとこれはこれで便利そうな気もします。

例えばMacbookのモデルチェンジから見てみても「ユーザの殆どはDVD読み込みしないでしょ?重い計算もさせないでしょ?USBもそんなに挿さないよね?あとイヤフォンジャックもそろそろblue toothにしないかね?」てな感じで近代のmacbookの形になりました(&なりそうです)。そんな感じで、さらに言えばPC(ネット)で行うべき処理が、「メッセージの受信」と「読了ボタン」さえあればOKという人もたくさんいそう。そういった人はもはや物理的なPCを持たなくても、こういったAR表示させる擬似PCデバイスっぽいもので事足りそうなんですよね。

こういった単純なディスプレイとインプットデバイスがARから登場するのか、はたまたApple watchのようなデバイスから進化してくるのかは楽しみなところですが、重くてモニタが小さなPCから開放される日が来ると嬉しいですね。余程"モノ"である必要があるもの以外は、すべてARというデジタル形態化されていくんでしょうね。

VR世界で生活し子孫を残さなくなった人類は"Gene"ではなく"Meme"を残す

6月30日にこんなイベントに参加していました。

eventdots.jp

ちなみに個人的には、VRは昨今のバスワード四天王「IoT」「VR/AR」「ドローン」「人工知能」の中では2番目に好きです(ドローン > VR/AR > 人工知能 > IoT)

 

出演者はこんな方々。面白くないわけがない。金曜日の夜だけど馳せ参じました。

・株式会社gumi 國光 宏尚 氏
・株式会社UEI 清水 亮 氏
・VENTURE REALITY FUND Tipatat Chennavasin 氏
東京大学大学院 稲見 昌彦 氏

 VRの話がメインなんですが、ご多分に漏れず人工知能にも言及されてました。最近はどのIT系イベントでも絶対に人工知能の話になりますねー。

 

パネルディスカッションはストーリーラインもあったような気がしますが、いろいろ話が飛んだり戻ったりした印象なので、個人的に面白かった点をつまみ食い的に箇条書きします。

 

 ・VRの"シュミレーション酔い"はデバイスではなくコンテンツのせい

頭を向けたスピードと追随する映像にズレがあれば脳の認識にズレができ"酔う"状態になる。それがシュミレーション酔い。少し前のデバイスではこうした酔いの問題もあり、それを解決するための研究も行われていたらしいが、近年のデバイスでは映像追随のラグもほぼ無く酔いの問題はほぼ無いらしい。酔いが発生するとすればむしろコンテンツの影響が大きいらしく、例えるなら一昔前の「ポリゴンショック」のような話で、デバイスである「テレビ」が悪いわけではなく「コンテンツ」が悪い。

 

・報道にも活用されるVR

VRの利用用途にはエンタメ(ゲーム)コンテンツばかりが紹介されるが、報道・ジャーナリズム分野でもVRが作成されている。紹介されたのはVRで作製されたシリア難民についての有名なドキュメンタリー。

(プレゼンテーション)スライドには現状を数値や背景をもとにきちんと理解させる力。そしてVRにはそれを”体験”として届ける力があります。 (引用元ブログ)

www.youtube.com

 

・ヘルスケアにも使われるVR

その高い没入感・疑似体験感覚を活かして、例えば「高所恐怖症」の人に実際に"高所"コンテンツVRを体験してもらうことで克服する治療(?)も実際に行われている。毒をもって毒を制すというか習うより慣れろ的な感じか。。。同様に、大勢の人前で話すのが苦手な人向けのVR体験などもあるらしい。なるほど。

Gear VRを活用した高所恐怖症克服トレーニング - 人生をxにするたったn個のy

 

個人的にユニークだと思ったのは、VRによる鬱病緩和。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とバルセロナ大学の先端研究機関の共同研究として実施されたVRセラピープログラムでは、まず参加者は自身のアバター(分身)を作り、取り乱している子供を優しく慰めて落ち着かせる。次に、子供の視点から、その過程を追体験する。このプログラムは、参加者が自己批判を抑制し、自分を肯定する心を育めるよう設計されている。

「不安やうつと戦っている人は、何かがうまくいかないときに自分を過度に責める傾向がある。まず子供を慰め、その言葉を後から自分で聴くことで、患者は間接的に自分自身を癒すことができる。患者のうち数人は、現実世界で起きることを以前に比べて肯定的にとらえられるようになったと報告した」と説明した。 (引用ブログ

「自分が他人を慰めるために掛ける言葉を自分自身が体験する(聞く)ことで自分を許せる(肯定する)心理作用が高まる」、という理屈はなんとなくわかる気もする。。。他人の視点を高い没入感で体験できるVRならではの手法ですね。

 

・最悪、VRは小型化しなくてもよい

「VRはデカすぎる」「首が疲れる」「つけてる姿が不格好だ」「メガネサイズまで小さくなったら使う」という意見があるがおそらくそこまでヘッドマウントデバイスが小型化しなくてもみんなが楽しむ時期は来ると思う。『だってあんなに重くて不快なスキーブーツを履いてでもみんなスキーするでしょ?』

 

・VRによって「モノ」よりも「体験」が重要な時代がくる

これまでの「豊かさ」を表す指標は「何を持っているか」だった。家、車、時計、iPhone、PCなどなど。しかしこれからは何を持っているかよりも何を体験したかが重要になる。Material societyよりもExperiential societyになればみんな幸せになるのではないか。

 

・まだあまり盛り上がっていないけどこれから流行りそうなのは「3Dクリエイション」

3Dプリンターがようやく有名になってきたけど、ここまで技術が発達してもまだすべての人が自由に3次元的な物を作り出せる時代ではない。なぜなら3Dでものを作る道具がまだほとんどないから。VRの中では簡単に3次元的な物を作り出せるようになる。Tilt Brushのような体験はその人の価値観をかなり変えるだろう

www.youtube.com

 

・VRは「産業革命」ではなく「文化革命」もしくは「Experimential revolution」

↑上記のような話から。

 

・今VRデバイスを買うならHTC Vive一択!

清水亮氏いわく。

https://www.htcvive.com/jp/

ただし、現状でているゲームはほぼ全部クソゲー。とにかく驚かせる系ばかり。VRである必要がないコンテンツがほとんど。今後に期待。

 

・VRの真骨頂は「コミュニケーション」

VRの中のキャラクターとのコミュニケーションが未来のコニュニケーションの形。そういった意味では、キャラクターの姿をした対話型人工知能が最強。VRと人工知能の世界は交わっていく。Limitlessという米企業はVRキャラクターにAIを載せて人と感情的に話せるシステムを作っている。AIを使ってキャラクターとコニュニケーション出来るようにする。こういったビジネスは今後増えそう。AIがVR世界をリアルにし、AIはVR世界の神になる。

www.prweb.com

 

・VR世界上で人類が生きていかない理由がない(みんなVRにいく)

仮に、超快適なVRの世界が出来上がったとして、それでもヒトはリアルな世界で働き、恋愛し、生活するだろうか。いや、きっとVRの世界にみんながいくだろう。

改めて人間が生きる意味とは?

達成感?成長?他者とのコミュニケーション?子孫を作り次世代につなげる?

達成感や成長はVRの世界のほうが余程上手く得ることができる。それこそロールプレイングゲームをするように。リアルな世界では全員が成功者となり達成感を得ることは難しいがVRの世界では可能。それはニセモノの達成感か?人口のある一定以上がVRに住み着くようになればVR世界での達成や成長もホンモノと同じように評価されるのでは?それこそ、ネットの上だけで活動するYouTuberが現実世界でも「成功者」と呼ばれるように。彼らをそう呼ぶかどうかは個人の価値観によるが、VR世界の活動だけでも現実世界で働かず十分なお金を稼ぎだせるヒトがもっと増えれば、そういった人たちをバカにすることもできなくなる。つまり、VR世界上でお金を稼ぎ、他者とコニュニケーションし、生活し、恋愛をする人達はたくさんでてくる。血を分けた子供でなくても、自分のことを好きでいてくれる人と見分けがつかないAIが一緒にいてくれればそれでいいと言う人もきっと少なくない。サマーレッスンの女の子とずっと一緒にいれればいいんや!みたいな。そのころにはご飯だってドローンが自宅まで運んくれる時代かも。

 

・人間はGeneを作って伝えるのではなく、Memeを作って伝える存在になる

じゃあ子供はどうするか?子孫を残さないヒトはもはや社会にとって迷惑なだけなのか?そういう未来が来た時は、人間はGeneを作って伝えるのではなくMemeを作って伝える存在になっているだろう。"文化"を残す存在。「そんなやつはいない!」といいたくもなるが、考えてみれば、「人間は100年でいなくなるが、自分が創業した会社と名前は何百年も残り続けるから起業した」という起業家もいるし、「論文のfirst authorとして科学史に名を残したい」という研究者はたくさんいるし、「自分の名前をググった時に自分自身のSNSやブログ、wikiがトップにでてくるようにした」みたいなことを熱心に目指している人達もいる。血を継ぐ祖先を作らなくても、自分が命を賭けた領域、もしくは”どこかしらに” 自分が生きた証を残せれば満足だという人達はきっと少なくない数存在する。今のように、何も成さず何も残さず人知れず死んでいく"普通の人達"からすれば、自分のVR上での活動ログが広義のMemeとして恒久的に保存され、何かのきっかけで誰かに参照される日がくるかもしれないのならばそれはそれで素敵なことなのかもしれない。

 

・結局、人間はどんな状況でも適応し生きていく

VRで人生の殆どを過ごし、あまつさえ科学技術が進化して不老不死でも獲得しちゃった日には人類は何をモチベーションに生きるのか?

食糧を得るための狩猟生活から開放されたはずの人間が"趣味として"ハンティングするように、労働力の機械化によって肉体労働から開放された人間が"趣味として"スポーツやマラソンをするように、死から開放された人間も何かしらまた楽しみを創りだして生きていくのでしょう。

独学で機械学習を勉強したい人のための勉強本決定版か?「Python機械学習プログラミング」が良い感じ

 4月から予約開始してようやく先日届いたpython機械学習

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)

 

宣伝文句としては、

原著『Python Machine Learning』は米国Amazon.comでベストセラー! 

3つのカテゴリーで首位(2016/5/24時点)

Data Modeling & Design/Data Processing/Neural Networks

とのことだったので非常に楽しみにしていたのですが、土日にパラパラと読んだところ期待通りの良い勉強本だと感じました。本国amazonのベストセラーは伊達じゃないぜ

以下アマゾンページからの目次の引用

1章 「データから学習する能力」をコンピュータに与える
2章 分類問題 —機械学習アルゴリズムのトレーニング
3章 分類問題 —機械学習ライブラリscikit-learnの活用
4章 データ前処理 —よりよいトレーニングセットの構築
5章 次元削減でデータを圧縮する
6章 モデル評価とハイパーパラメータのチューニングのベストプラクティス
7章 アンサンブル学習 —異なるモデルの組み合わせ
8章 機械学習の適用1 —感情分析
9章 機械学習の適用2 —Webアプリケーション
10章 回帰分析 —連続値をとる目的変数の予測
11章 クラスタ分析 —ラベルなしデータの分析
12章 ニューラルネットワーク —画像認識トレーニング
13章 ニューラルネットワーク数値計算ライブラリTheanoによるトレーニングの並列化
付録 Jupyter Notebookの基本/matplotlibによる可視化/行列の固有分解 

※ちなみに本書の推奨環境はPython3.xでした

 

この本の素敵なところ

本全体の流れとして基本的にはモデルの数式を並べて式の解説をして、この内容をPython(scikit-learn)で書くとこうなります、コードのここはこういう動きをしてます、hogehoge...

という感じです。偏ったマニアックな手法も無さそうで、抑えておくべき基本的な内容をきっちり網羅されている感じで非常に好印象です。読むテンションが高まります。

 

この本の何が素敵かというと、自分のような「数学は高2からやってないマン」としてはアルゴリズムの数式の大切さはわかるのですがそれだけ解説されても点でわからん、Pythonはちょっと書けるのでコードを見るとああなんとなく分かった気がする、という気分になれることです。(線形代数微積分は泣きながら勉強し直し中ですすみませんすみません)

しかし数式でアルゴリズムの解説の後に(自分が知っている言語で)コードを並べて解説してくれるというのは非常にありがたい。これまで機械学習は勉強したくても、本でもブログでもできるだけ数式の登場が少ないもの、もしくは一行の数式に死ぬほど日本語解説が付いてる希少なページを一生懸命さがしていた、もしくは「scikit-learnのこの関数ならこれみればわかるよ」とポンと公式ドキュメントリンクを送られる英語が弱い哀れな身からすると非常にありがたい。実はPythonコードと数式を対比させて(日本語で!)解説するこんな感じの本があるようで無かったような気がします。(そういう意味では、データサイエンティスト養成読本シリーズも好きですが、数式解説かコード解説かのどちらかしかない感じだったのですよね)

そんなこんなで、最近仕事でもやっている自然言語処理周りのページや、お名前はかねがね存じ上げていた「ぱーせぷろとん」のページなどをまずは読んでみたのですが、解説も丁寧で非常にわかりやすかったです。いまいちピンとこない箇所があっても適当にググッて"はてブ"の多い関連のブログやslide shareを見れば十分に補完できる感じには丁寧に書かれている印象です。初学者として「機械学習のわかりやすい本ありますか?」と先輩に聞いて「これがわかりやすいよ」と言われて1ページ目から数式が登場し挫折するというループを何度も味わった身としては是非この本を同胞たちにオススメしたい。

 

この本を読むための事前知識

ただし、Amazonのレビューにも書かれている通り、

しかしながら、python機械学習をするという本のため
機械学習の基礎知識
pythonライブラリの基礎知識
機械学習に必要な数学基礎知識
以上は、含まれていないか、さらっと解説しているだけである。
※本の中に、参考リンクはある。(英語)

そのため、機械学習初心者がいきなりこの本を読むとおそらく思考停止すると思う。

というのはそんな感じかもしれません。やはり事前知識は必要。

ちなみにこの本を読むための事前知識については監訳者の詳細な解説ページがあります。数学が苦手な人用の本書の読み進め方なども載っており購入を検討されている方には非常に参考になります。

ブック・インサイド―『Python機械学習プログラミング』学び方ガイド | Think IT(シンクイット)

 

ここから下は個人的事前知識感想。

機械学習の基礎知識」はやっぱりこの本が良かったかな

データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編 (Software Design plus)

データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編 (Software Design plus)

 

 「Pythonライブラリの基礎知識」というのはなんだろう。おそらくPythonのnumpy, pandasあたりの書き方がわかったら良いという意味でしょう。

個人的にはpandasの書き方はこちらの方のブログで勉強させていただきました。秀逸な内容とわかりやすさ。(pandasについては個人的に勉強に役立ったページリンクをいつかまとめる)

sinhrks.hatenablog.com

qiita.com

numpy勉強ページは鉄板のこちら

100 numpy exercises

 

機械学習に必要な数学基礎知識」

...これは自分も勉強中です。(正直に言うと今はΣの意味がわかるくらいのレベル...)

わりといろんなところでオススメされているこちらの本で勉強中です。ikeay氏の機械学習ブログでも詳細されてましたね

プログラミングのための線形代数

プログラミングのための線形代数

 

 

結論

自分も全部読めているわけではないのですが、1セクションを読んだだけでも良い勉強本感を感じました。個人的にはしばらく集中して読んでみようと思えました。

 

P.S

あと、本の装幀が何気にお気に入りです。

400Pあるので分厚くて少しデカイのですが、技術書としては少しやわらかい(薄い?)紙を使ってるっぽので本をぐにゃんと畳んで読めます。ハードカバーで紙も固めのどっしりした本は持ち運びが億劫なので良いのですよね。(技術書は紙本派)

 

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)

 

 

富樫ん層学習

はてなブックマーク - アニメとゲーム - 【衝撃】漫画「ハンター×ハンター」休載決定! 再開は未定 / 2016年7月4日発売のジャンプが最後 | バズプラスニュース Buzz+

 

ブコメより)

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いや、次の連載再開が5年後とかならあるいは…

休載しすぎて時代に追いつかれてAIに漫画奪われた漫画家とかマジ漫画。

今をときめくPythonの深層学習ライブラリー Kerasの日本語ドキュメントが公開

Kerasの作者 @fchollet 氏(Deep learning at Google)は日本への留学経験もあるとかで、日本語ツイートでもご発表

 

Kerasとはなんぞや、な方はこちらを参照

aidiary.hatenablog.com

tjo.hatenablog.com

 なんだか流行りそうらしいので遊んでおかねば

まだまだSFだと思っていた「脳」の実装は日夜進んでいる...

googleの猫」ならぬ、「理研の猫脳」。この世界に猫の因果は強いらしい。

techon.nikkeibp.co.jp

 

イマイチ読んだだけでは凄さがピンと来ないが、「10億個ニューロンの小脳計算モデル」というワーディングだけでなんだかスゴイ感は伝わってくる。だれか詳細な解説ブログはよ

動作させるまでは比較的容易だが、性能を引き出すためのチューニングにかなりの時間を要した。

この業界のネックはどこもやっぱりパラメータチューニングらしい。

全能アーキテクチャの方々も脳モデルの実装を日夜頑張っておられるが、本当に脳の人工的実装は現実の世界になるのか。まだSFな感じがしていたが科学は日夜進んでいる。

続報を待つ。